口腔ケアについて 協同歯科 水阪・児玉 2011年2月10日
介護福祉士・介護支援専門員 井上尚子(57) 星が丘台ホームにて口腔ケアの研修を受けました。 目的 ◎利用者さんへの毎日のその方に合う適切な口腔ケアにより身体的・精神的なケアがもっと出来るのではないか? ◎ 美味しい食事をより美味しく食べて頂く為には、刻んだり軟らかくするだけでは ないのでは? ・口腔ケアの目的はプラークの除去 プラークとは・・・軟らかく白くベトベトしたぬめりとして歯や歯肉に付着する。 1mgあたり10億個以上の細菌の塊を含む。 (大便に含まれる細菌量と同じ) 細菌から放出される酸により歯のカルシウムが溶け虫歯になる。 細菌が産生する毒素や酵素で歯肉に炎症が起きる。 歯石の原因。 プラークを放置すると・・・・ 虫歯の原因になる。 歯周病の進行により、歯茎の腫れ・出血・歯が溶けグラグラする。 口臭の原因。 汚れが残っていると食事の味が分からない。 誤嚥性肺炎の原因。 高齢者の口腔内の特徴を知り、口腔ケアをする。 咬耗(こうもう)⇒歯がすり減ってくること ⇒歯茎のきわをやさしく磨く。 歯肉退縮による歯根露出 ⇒力加減に注意しゴシゴシしない。 残根 ⇒やさしく汚れをとるように、根っこの表面もしっかりと磨く。 小筆の毛束のようなものを使用する。(ex.ワンタフトブラシ) 孤立した歯 ⇒歯ブラシで色んな角度から磨く。コンパクトブラシ 口腔乾燥 ⇒唾液が出ない。入れ歯の入りが悪い。粘膜・痰が残りかさぶた になるので保湿剤で除去する。保湿が必要。 全身疾患の状態により麻痺があったりする。 ⇒麻痺側からブラッシングする。 舌のケアも必要で奥から放射状にやさしく擦り取る。 その際、数回に分けて水分・ワセリン・オリーブオイルをつけて数回に 分けて毎日ケアする。 ナイロンの軟毛の粘膜ブラシ 歯の欠損(義歯の装着) ⇒義歯にもプラークが付き不潔な義歯カンジダ菌の感染源になる ことがあるので夜間は外して水中保管し、歯茎をやすめる。 毎食後外して洗うのが理想的。 ・義歯の着脱 基本的には、歯の生えている方向に金具を指で外すと義歯 も外れる。装着の時は、金具の位置を歯に合わせて、 人口歯の部分を葉の生えている方向に押すと装着できる。 口の開けにくい人はバネの調整をしてもらう必要があるかも。 ・義歯を装着している口腔内の観察ポイント 赤くなっているところはないか? 傷はないか? 部分入れ歯の場合は支えになっている歯が虫歯になってい ないか? グラグラ、パカパカしていないか? 就寝時の着脱に迷う。 ⇒このような症状があれば歯科医に相談する。 義歯を磨くには・・・・ 義歯用ハブラシ、洗浄剤、台所用洗剤 ・無歯顎 歯がなくても食事をすれば汚れはたまる。 口腔粘膜や舌にも細菌は付着する。 義歯装着者は義歯も清掃。 ⇒スポンジブラシやリーナブラシで清掃する。 ◎口腔機能を低下させない為にも義歯を装着したほうが よいのか? ⇒安定したかみ合わせによって、咀嚼や嚥下が改善 される。見た目のこともあり人とのコミュニケーショ ンがとれる?機能の低下を防ぐ。 ◎歯茎からの出血 痛みがありサラッとした血は傷つけてしまっている ので、治療が必要かも。 ドロッとした血は出した方がよい。 ・開口維持困難な方の効果的な口腔ケアの方法 ◎Kポイント刺激 舌の歯列に沿って指を奥にいれ、 ぶつかった辺りの内側(Kポイント)を押して刺激すると多くの場合開口することが出来る。 ◎下顎押し下げ法 開口したら、開口器や手作りの割り箸に綿を巻いたもの、 オーラルバイトを噛ませ口腔ケアを行う ↓ 最初は磨ける範囲のところだけ磨き、無理には行わない。 口が小さい方は小さめの歯ブラシを使う。 ・開口維持困難になる原因は? 関節・口腔周囲筋の硬直が原因。 ☆口唇訓練・舌訓練・頬訓練によって咀嚼嚥下器官の機能の維持・低下を 防ぐことが出来る。 今回は利用者さん2人に協力していただきました。 1人は無歯顎の方で、義歯は装着されていません。以前は装着されていたのですが、 合わなくなってから使用されていません。やはり硬い物は食べれていません。 今では、歯茎が薄くなっておられ義歯の装着は難しいとのことでした。 しかし、この方はスポンジブラシで丁寧に口腔ケアをされているので、 嚥下障害もありません。 もう1人の利用者さんは総義歯ですが、よく磨けており口腔内も清潔に 保持されているとの事でした。 この度の口腔ケアの研修を受けて、自分自身もプラークが付着しやすく、 医者からは1ケ月に1度は歯の掃除に来るように言われているのに、 痛みがないのを口実に行ってないのを反省。虫歯になったり歯茎が 腫れる前に予防をしなくてはと思いました。毎日の歯磨きだけでは、 私の場合は完全にプラークを除去できていないのが現実です。 食事は一生涯ついて回るものなので、口腔ケアが重要であることを再認識 しました。
by hoshigaoka-kenn
| 2011-03-03 15:44
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