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研究発表1

 「星が丘ホームのさらなる発展を目指す手法」
      BSC(バランス・スコア・カード)を使っての分析
   
                 介護福祉士  
                 介護支援専門員   初世 栄

Ⅰ はじめに
 1997年(平成9年)に介護保険法が制定され、2000年(平成12年)に全面施行されてから、10年が経とうとしていますが、この10年を振り返り、星が丘ホームは常に1歩先を読み、変革の先頭に立って実績を積み上げてきました。
しかし昨年の、アメリカ金融危機発端の世界大不況以来、今までの経営戦略では乗り切れない企業が続出しています。NPOも例外ではなく、特に私たちの社会的役割を考えると、継続できないからといって、投げ出すわけには行きません。スタッフ一人ひとりが今何をなすべきかを考え、自信と自覚をもって各自の役割を果たすときだと思います。
そこで、昨年NPO大学で学んできた、BSC(バランス・スコア・カード)による経営戦略を導入し、スタッフ一同ベテランも新人も理念をもう一度確認しあい、不況の波に飲まれない、力強い星が丘ホームを作り上げ役目を果たすべく討論を重ねました。

Ⅱ まずどのように考えていけばよいのか
 BSCその意味と必要性
①―ヒトという複雑かつ尊厳のある存在が対象である
*複雑な経営環境の下で、効果的かつ効率的に運営する方法 
②―介護保険法という特殊な法律の下での活動である
*売り上げや利益にとらわれない財務的指標だけでない観点  
③―個性ある人材の集団である
*4つの観点でバランスよく定め、実行し、評価、検討していく考え
方(マネジメント手法)
Ⅲ 具体的にどうすればよいのか。
 4つの視点 
①―財務的に成功するためにどのように行動するか。―財務の視点
②―ビジョン(目的)を達成するために対象者にどのように行動すべ     
きかー対象者の視点
③―満足するためにどの様な業務プロセスに秀でるべきかー内部プ 
ロセスの視点④ビジョンを達成するためにどの様に人材育成と変革能力を強化す
べきかー学習と成長の視点。
Ⅳ―1 以上をふまえた上でSWOT分析を活用し弱み・強み・機会・脅威の4つの視点から明らかにしていく。
    ①―強み
      1…24時間365日営業
      2…幅広い年代の介護士で各利用者に対応
      3…地域との交流がある
      4…地域に協力者が多数いる。
      5…保育士が4名いる
      6…専門職が多い(個性的で多彩な資質をもつスタッフ34名の内
介護福祉士11名)
      7…全員が介護支援専門員が目標(現4名)
      8…配食サービスが口コミにより充実
      9…自立支援のサービスの依頼が多くなっている。
     10…常に研究材料がある。
   ②―弱み
     1…専門性が生かされていない
     2…制度の矛盾で自立支援のサービスを充実させたいが現ヘルパーのスキルでは対応できない。
      3…配食サービスの調理師の資格者がいない。 
(管理栄養士1名・栄養士1名)
      4…地域の行事になかなか参加できない            
      5…保育士による乳幼児対応が不足
      6…パソコンのスキル不足
      7…人手不足
      8…勉強不足
    ③―機会
1…専門職では介護福祉士・介護支援専門員・社会福祉主事に挑戦している。
      2…ボランティアの協力でHPが充実した
      3…切実な介護者の実態が存在する。
    ④―脅威
      1…資金不足
      2…介護保険法・障害者自立支援法の矛盾
    4…規模縮小の事業者が増え支援を要する利用者が選択できない
      5…食の大切さが脅かされている。


*上記のことから、明らかになったこと
①の強みでは他の施設では得られない事がある。
②の弱みでは①の強みを生かし切れていないことが明白になる。
③の機会ではもっと沢山の機会があるはず。どこかで見落とされているのかも。
④の脅威では広く社会に訴えていく必要がある。
Ⅴ それでは、どうすればよいのか。
ミッション
1、0歳から100歳を超える支援を必要とされている方が、住みなれた地域で暮らし続けていける社 会を実現させる。
2、生活丸ごとの支援
3、安全な食品の効用と啓発運動
4、地域防災緊急通報システムの構築
ビジョン
1、高齢者、障害者、乳幼児の分け隔てのない支援
2、地域災害対策の充実
3、第2星が丘ホームの確立
4、第3星が丘ホームの設立

Ⅵ 以上の観点から具体的に指し示すと
1、財務の視点{会計}
*会員の増加―随時―60人⇒120人(倍化)―
      全利用者、家族にPR,協力者に訴える
*自己決算書の作成―年4回(5月予算検討・10月半期決算・12   
      月見直修正・4月作成)―実行
*寄付金の調達―月1回―目標5000万円―寄付金の訴え
2、対象者の視点{顧客}
*助成金の申請―年2回―最大200万円―情報収集と申請書提出
*利用者・家族の満足度―年2回―家族会の開催―アンケート・聞き取り調査後開催
*地域住民への相談活動―随時(週1回土日中心に相談活動の充実)
*地域への配食の充実―毎日―昼夕5食を倍増―調理・配送スタッフ・ボランティアの充実
*乳幼児の一時預かり―毎日―1回2名以内―保育士による対応
*看取りの旅―年1回―終末期―思い出作り・ふるさとに帰る

3、プロセスの視点 
*広報誌の充実―月1回―地域1,000枚―協力店作り
*ホームページの充実―週1回以上―HPの更新
*第3星が丘ホームの設立―近い将来―必要になったとき―物件と資金の調達。
4、 学習と成長の視点
*リーダーの育成(専門職)
  ①資格取得―年1回―介護福祉士(実績3年)・介護支援専門員(実績5年)・主任介護支援専門員・社会福祉主事・社会福祉士―資格習得
  ②研修への参加―随時―所内年6回・所外年2回以上―所内外への参加
  ③研究発表の機会を作る―年1回―全国規模―全国に向かって発信
  ④計画作成の力量を高めるための助成金の申請・プロジェクトの仕上げ―年1件―通所・訪介・自主事業―各分野の計画と作成

以上のような計画をスタッフ一同一丸となって、次の10年に向かって進んで行きたいと思っています。
    。
by hoshigaoka-kenn | 2010-01-06 13:53
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